頑張れ、俺!
7.累
こちらも話題作。マンガ大賞を受賞したんだったか。
3巻までを借りて読む。
魔法使いの嫁は、ファンタジー小説がマンガという形で出てきた感じ。
累は、クラシカルな舞台劇がマンガという形で出てきた感じ。
学べることと言えば、極端にダークな話はウケることもあるということ。
あとは、単純に作品を楽しめた。
テーマは、かなり前から俺が抱えていたこと。
外見の恵まれているものと、恵まれていない者。いや、恵まれていないどころか、大きな負債を背負わされている者。
美と醜悪。
学歴社会ではなく、外見社会になったなんて言葉を聞くけど、
俺は時々街を歩いていてゾッとする。
なんで駅前はこんなにキレイな人ばっかりいるんだろ?
なんでみんなこんなにイケメンでオシャレなんだろ?
なんで太ってる人やブスな人がいないんだろ?
駅ビルとかデパートとかでは特にそう思う。
日本人をランダムに100人選んでそこに置いたなら、
必ず太っている人や、背が低い男、とてもウケの悪い顔の人...そういう人がいるはずなのに、
その特定の場所には一切そういう人が見当たらない。
まるで、そこには「醜い人禁止」のルールがあるみたいに...。
そんな俺らが住む社会の真実を、
真っ向から描いた作品。
面白かった...けど、このマンガが流行る今の社会ってどうなのかな。
絵は決して上手くないし、ストーリーが特別面白いわけでもない。
だとしたら、少なからず共感する人たちがいて、その人たちが支持しているんだと思う。
俺も共感する人の一人だけど、
自分と同じ気持ちを引きずっている人たちがたくさんいることは、決して嬉しいことじゃない。
真実を描いているからこそ、そこに希望はない。描かれない。
マンガ、というかファンタジーの世界で描かれる綺麗事にも嫌気がさすけど、
救いのない話にも、悲しみを感じてしまう。
外見という縛りから、いつか俺が抜け出せますよーに。
他人に、外見なんて関係ないって心から言えるようになれたら。