少しの勇気。

　あの人が怖い。この人が怖い。先生が怖い。大勢の人に囲まれているのが怖い。恥をかくのが怖い。嫌われるのが怖い。
怖いものは克服していけると思ってたけど、少なくとも俺の場合はただ単に増えていくみたいだ。

　●１０日ぶりくらいに学校に登校した。
休み中に限らず、俺は最近よく思う。
看護以外のことはこの２年で少しずつだけどできるようになった。
だけど、肝心の看護のことは全然身についてなくて、
俺自身は教科書がないと何もできない。
俺はこの２年間一体何をやってたんだろう？
記憶力が極端に低下していることを差し引いても、何の努力もしてこなかったと思う。

　でも今日、学校からの帰り道に思った。
「俺、頑張ってきたじゃん。」

　何の難しいことがなかった今日の学校。ただ掃除して、ホームルームがあって、始業式に出て...。
だけど、俺はなんだかよくわからない恐怖を感じてた。
怖い。なんか知らないけど、この場にいるのが怖い。
休み中、特に最後の二日はずっとボケーっと過ごしていて、気づけば新学期の準備に追われて、
何の気持ちの整理もつけずに登校した。
そして感じたのは、違和感と恐怖。
あー、俺はずいぶん特殊なとこにいるんだってことと、
俺は人と恥をとても怖がっているんだなぁーってこと。
去年時間割を間違えて、落としてしまった科目。実習でのミス。
どっちもボケーっとしててしでかしてしまったこと。
集中力を持続することが他人に比べてとっても困難な俺は、これからもボケーっとしてしまうと思う。
実習中、睡眠不足状態になれば、なおさらだ。
そして、共感できる部分がとっても少ない多くのクラスメートたち。
学校に登校して、自分の居場所がないことを強く感じて落ち込んだ。
あれ、こんな感じだったっけ？
たくさんの人たちと言葉を交わして、決して溶け込めていないわけじゃないのに、
俺自身は不安ばっかり感じてた。

　まぁー、だからさ、何が言いたいかって言うと、
こんな俺で、クラスで、環境で、
今まで２年間もよく頑張ってきたなってこと。
弱いくせに、強がってよく今まで耐えてきたなってこと。

　辛いことってのは人それぞれ。
この気持ちを忘れちゃったら、俺は他人を傷つける人間になっちゃうし、傷つく人間を見過ごしてしまう。

　俺は、学校にいることがこんなに苦痛なのに、よく今まで頑張ってきた。
いいんだ、これで。
これからも、クラスメートを励まして、励まされて頑張っていく。
それで良いんだ。

　moritaが言ってた。
結果よりも過程を大事にしてって。
結果を出さなきゃ俺は何の意味もないって思ってる。
常に努力できるように。
だけど、多くの人が結果ばかりを求めるこんな社会だからこそ、過程をおろそかにしないようにしようって思える。
それに、俺は自分を否定することが多い。
だから、頑張ってる過程を肯定してあげなきゃね。

　偉いぞ、俺。
今までよく頑張ってきた。

結果がどうなろうと、今年も全力でぶつかる！
その過程を大事に！！