今朝のココア

こんな日々を愛おしく思って

カウンターアイデンティティー

 高校生ってのはやっぱり多感な時期(?)らしく、
現国の授業で読んだ話が今でも頭の中に残ってる。
山月記中島敦


 隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね...


 物語の主人公はある日、自分の内にある強い自尊心に食われて発狂し、虎となる。
そして少しずつ人間の感情や記憶をなくしていき、自分が人間であったことを忘れていく。
人間でいる時間が次第に少なくなっていく。


 中学生の時に読んだ3×3EYESでは、ある長寿の種族のある男が、
だんだん無感情になっていく自分を許せない、と言った。



 俺は最近、自分の無気力に勝てない。
色んなものに飽きてしまったようで、興味・関心を示さなくなったし、
示しても、それは続かない。


 そして、何よりも、求めるものの価値が低くなった。
将来金や女が欲しくなるなんて、昔の俺は考えもしなかっただろうね。
そんな自分が時々ふと我に返って、普段の自分を見つめ、失望する。
今は、そんな毎日だ。



 色んなことを学ぶにつれて、自分のやるべきことがどんどん具体化している反面、
時間をそのために使えない。せっかくの知識と経験を活かせていない。
もったいないよな。
こんなんで老いていきたくない。





 今日は彼女の愚痴を電話で聞きながら、ふと前から持っている疑問を、
学校の先生をやってる先輩にぶつけてみようかと思って、彼女との電話を切った後、電話してみた。
出ないだろ〜っと思ってたら、先輩は仕事中なのに出てくれた。


 あれからもう10年以上過ぎてるのに、先輩は、先輩のままだった。
あの頃のまま、俺の疑問にまっすぐ応えて、どこか可愛がってくれてる先輩。
なんか、年甲斐もなく照れてしまって、高校生の時の気持ちを一瞬思い出した。


 俺は、このままで良い。
周りとどこか馴染めなくても、それは昔からだ。
学校っていう場所がフィールドなら、それはなおさらだ。
そして、俺が間違いだと感じることは間違いだ。
そんでそんで、行動することは間違いじゃない。正しいんだ。


 そう、確信を持たせてくれた。




 本を読んで共感するのは簡単だ。
だけど実行するのは、胃が痛いくらいじゃ済まないかもしれないよ、シン。笑

私は、景の民の誰もに王になってもらいたい、地位で持って礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れた者の末路は、昇紘、牙峰の例を見るまでもなく明らかだろう。そしてまだ、踏みにじられることを受け入れた人々が辿る道も。人はだれの奴隷でもない、そんな事のために生まれるのじゃない。他者に虐げられでも屈することない心、災厄に襲われても挫けることのない心。不正があれば正すことを恐れず、獣に媚びず、私は景の民に、そんな不羈の民になって欲しい、己という領土を治める唯一無二の君主に、そのためにまず、他者の前で毅然と頭を上げること始めて欲しい。

 でもさ、もしかしたらそんなくっだらないところに、“俺”っているのかもね。
忘れてる自分。薄れてく自分。
たぶん、そこにいるんだ。



 抗え。