雨ニモマケズ

※『お茶ゼリー』とは、
患者様が大好きな、砂糖とゼラチンをお茶にプラスしたゼリーである。

　雨にも負けず、
風にも負けず、
鬼の師長にも、夜の患者さんにも負けぬ

丈夫な身体（ってか主に腰！）を持ち、
欲はなく、時間もなく、
患者さんの暴言や暴言にちょいちょい怒りつつ、
いつも静かに苦笑いしてる

一日に食堂の食事と、
お菓子と少しのお茶ゼリーを食べ、
あらゆることをその日のリーダーに任せ、
よく見聞きしわかり、
よく忘れ、
××県××××××市の小さな閉鎖病棟にいて、
東に病気の老人あらば、行って看病してやり、
西に『すいません、トイレ行きたいんですけど...。』という患者さんあれば、
『１分前に行ってきたばかりでしょ！？』と言い、
南に『お兄さん、美男子ねー。』と言う人あらば、
お茶ゼリーをコップにMAXで入れてやり、
北に放尿しそうなKさんあらば、
『ちょっ、そこでしちゃらめぇぇぇぇぇー！！』と言い、
日照りの時は、
リアルに１リットルの汗を流し、
休みの日には、癒しを求めてオロオロ歩き、
先輩に、
『あの子、頑張ってるんだけど、ちょっとアレなんだよねー。』
と言われ、
時々みんなから褒められ、
時々女性患者のオムツを替えていると、普段言葉を一切発さないのに『いやらしい...』といわれ、
患者さんの汚物の中にメガネを落とし、
みんなに内緒で洗い、アルコールをぶっかけ...

そういう者に、
...私はなっちゃっている。