今朝のココア

こんな日々を愛おしく思って

怖い話。

 怖い話を聞いた。



 いや、実際にはマンガで読んだんだけど。
それは今まで俺が見たことのない種類の怖さだった。
お化けとか幽霊が出てくるわけでも人が殺される話でもないんだけど、
小野不由美さんのホラー小説を好きな俺が、トラウマになるようなものだった。
読んだ時、俺が寝不足+メンタルちょっと落ち込んでて、心が無防備な状態だったってのもある。
何百万部も売れてる作品だって調べたら書いてあったけど、
俺は自分の精神状態が良い時じゃないともう手に取れないと思う。


 理解されないことが多いから、あんまり他人に言わないけど、
俺は実はひどく臆病だ。
理由があまり見当たらないから、おそらく先天的なものの影響が強いんだと思うが、
傷つきやすく、ストレスもたまりやすい。
要するに精神が弱いのだ。
そして想像力がたくましい。予期不安ってやつをものすごく強く感じる。
だから、今回恐怖を強く感じて、無意識に防御態勢に入った。
家族に何かあったらどうする?大事な人たちに、何か今の俺に対処できないことが起きたら...?
俺が今回取った選択は、俺をトラブルに対して無防備にするものだ。
いや、今想像している深刻なトラブルは、俺がどう動いても対処しづらいものなのだけど、
例えば今この瞬間選択をやっぱり変えて、安定した道を取ったとしたら、
少くなくとも今よりはましにすることができるんだ。
身に降りかかる困難の多くは、金がらみだろ?だったら稼いでるに越したことはない。


 怖い話を聞いて、もう一つ頭に浮かんだことがある。
それは、俺が実は人並みな生活をするのが精一杯で、
ほんとは回り道なんてしてる余裕は一切ないんじゃないかってこと。
今俺は人並みの生活...というか、周りの人間の生き方が嫌なんて言って背を向けてるけど、
そんなん贅沢じゃないかって。
能力もないのにプライドだけ高く、
俺はいつかすごい奴になるんだなんて妄想をいつまでも引きずってるバカな野郎共。
そんなやつらの一人なんじゃないかって。
実際さ、体力のなさとかその他にもハンデはたくさんあるでしょ?
周りを見たって、俺と同じように、もしくは俺より色んな能力があると思われるやつらが、
すんげー頑張ってなんとか毎日を乗り越えてる。
そいつらは要領が悪いだけ?そうなのかもしれないけど、少なくとも俺はその中に含まれていて、
そこから出る術を知らない。おそらくずっとそこからは出れないんじゃないかって思う。



 怖い話に登場した人たちが破滅していく姿をみて、自分もそうなるんじゃないかって怖くなったんだろう。
あと、最近友達と会う機会が多いから、今の生活が愛おしくなったんだろう。
家族と一緒にいる時間が長いから、自分がダメになってしまった時のことが思い浮かんで、
家族にこれ以上苦労をかけてしまうんじゃないかって怖くなってしまったんだろう。





 とりあえず、保留だ。
この怖さが一時的なものであろうがなかろうが、
考えを深めるチャンスを与えてくれたのは確かだ。
そして明日仕事なのも変えられない事実だ。
早く寝て、明日の仕事が終わってからまた考えよう。




あー、臆病ってほんと面倒だ。
あと高過ぎる変なプライド、ね。
変なもん背負わせやがって、クソが。