笑うのは...

　実習をしてると思う。
なぜ俺の友人たちは優しく賢いのに、
俺の目に映る職場の看護師たちやクラスメートは冷たく、自己中心的なのかと。

　『こんなになんないと指せない将棋かな？』

　3月のライオンの零クンが、自己中で態度が悪い対戦者を相手にした時に感じたこと。

　看護の仕事は、こんなにも冷たく、傲慢にならないとやっていけない仕事なのかな？
こんな状態にならなきゃ家族も自分の生活も守れないのかな？
俺には、ただ「仕事が大変なのだ」だと、
「他の皆もやっているのだ」と言い訳して、自分の優しさを手放してるように見える。
患者に向ける笑顔を手放しているのは、仕事が大変だからでも、忙しいからでもないだろ。
ただ単に怠惰なだけだろ？
自分の感受性くらい自分で守れと茨城のり子さんは言う。
別に最初から安定した生活だけを求めて看護師になったわけじゃないだろ？
だったら初心を簡単に忘れてんじゃねー。

　俺自身も、まだ始まっていないのに、忘れかけてる。
何を目指して、何を求めてこの道を選んだか忘れかけてる。

　野望を果たすには、運も必ず必要だ。
同じような志を持つ人との出会いを、願わくばこの先俺に。

おっと、「ねだるな、勝ち取れ」だったな。
自分から求めて、見つけ出さないとな。
そして、このゆっくりと死んでいく時間の中、自分にできる精一杯のことをして、果てていくんだ。
頭は冷静に、心は熱く。一歩ずつ。
まずは目の前のことを。

　笑うのは、俺だ。