仕事。

　●兄へ、仕事のことでプレッシャーを与えた。

　今まで、家族全員が兄に仕事を探せと言ったら、
兄は家にいるのが嫌になってしまうんではないかと考えて、
俺だけは兄に口を出さないでいた。

　けど、今回兄が車をぶつけて、
それに対して少なからず罪悪感を感じているのをチャンスとみて、
本人に悪いと思いつつも、少し攻めてみた。

　職種の話をひとしきりした後、期限を決めて仕事を探すことを勧めた俺に対して兄は、
『月末までには。』と言った。
...一瞬、耳を疑った。というか、自分の頭を疑った。
あれ、もう２月に入ってるよね？
もしかしてまだ１月の終わりだった？？

...混乱状態から抜け出すのに、たぶん１分くらいかかった。
なんでバイトを探すのに、
ってか、面接を受けるため電話をするのにそんなに時間がかかるんだろう？
就活と間違えてるのかな？？？

　でも、兄に対しては負い目（みたいなもの）がある俺は、
ちゃんと気持ちを抑えて、言えたぞ。
それじゃあ遅いぞ、って。

　今週中にやるって、兄は言ってくれた。

　俺は正直に言えば、兄の気持ちはわかる。
俺らは同じ親に育てられて、
ほぼ同じスペックだから、
心の弱さもコンプレックスも、余計なプライドの大きさも一緒。
家を出て働きに行く怖さってものが俺はわかる。
傷つきやすいのも、劣等感に負けるのも、
嫌なことから目を背けたい気持ちも、わかるつもりだ。

　ゴメン。
それでも、今の家族の状況を考えると、
兄貴の将来を考えると、
働いた方が良いんだよ。

　サポートするから。
できることするから。
少しで良いから、今以上に頑張ってくれ。